No.117 (東南アジア) :
「タイが独立を維持できた理由とは何か?」
タイが独立を保てた理由は二つある。一つはラーマ4世が行った,鎖国をやめ
た開国政策であった。これは,タイが英(インド帝国に併合されたビルマ)と
仏(インドシナ連邦)両国の緩衝地帯に位置したことを利用したものである。
もう一つはラーマ5世(チュラロンコン)が成功させた,上からの近代化政策
である。
<評価の観点>
関心・意欲・態度:
今から約100年前,欧米列強の進出を受けたアジアにおいて,完全な独立国と呼
べるのは日本とタイの二か国しかなかったということに,大きな関心を持って
学習に臨んでいる。
思考・判断:
英仏の緩衝地帯であるがゆえにタイが独立を維持できただけでなく,日本の明
治維新や文明開化にも共通する,自主的な外交や国内改革の成功が奏功したこ
とについて,的確に判断している。
資料活用の技能・表現:
インドシナ半島の地図上に,英仏の勢力圏とタイの位置関係を図示することに
より,英仏両国にとってタイの独立維持が,地政学的に緩衝地帯として重要で
あることを実感している。
知識・理解:
タイの独立維持は,自主的なものとしては,ラーマ4世による開国政策やラー
マ5世による近代化政策の成功が,国際環境によるものとしては,タイが英仏
の緩衝地帯に位置したことが主な理由である点について,基本的な知識を身に
つけている。